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Pick Up:人間関係学部 心理臨床学科 教員

松本 宏明 准教授 (家族療法・ブリーフセラピー・アディクション):公認心理師・臨床心理士

松本 宏明 准教授

ゲーム依存や有名人の薬物依存など、「依存症」という言葉を聞く機会がずいぶん増えました。皆さんの中にも、オンラインゲームやスマホなどにハマった経験がある人がいるでしょう。けれど、ハマった時にはちょっとまずいと感じる一方、依存症に対しては、どこか「自分とは違う世界だ」と思っていなかったでしょうか?その見方は、ある意味「常識的」です。家族など周囲を巻き込み治療も難しい依存症は、社会から厳しい視線を送られる歴史を経験してきました。

しかし、この依存症への理解に近年、「自己治療仮説」という変化がありました。この自己治療仮説では、依存症者は自らが抱える心の苦痛をひととき和らげるため、無意識に特定の対象を選んでいる、と想定します。つまり、依存症者は、ゲームやお酒など何かにハマることで、文字通り「自分で自分を治療している」ことになります。自己治療仮説の観点からは、ハマった本人を責めたり自覚を求めたりする周囲の「常識的」な態度は、かえって本人が安心できる対象を奪い、依存症を悪化させている、そんなメカニズムが見えてきます。「ゲームをし過ぎだと親から叱られたら、それまでちょっとはマズいと思っていたはずなのに、イライラしてもっとゲームしたくなった」そんな経験ありませんか?

もちろん、依存症は家族や周囲への影響も甚大であり、困り果てた周囲が本人に自覚や変化を促すのも当然です。しかし、依存症に限らず「こころの悩み」の場合、自覚や変化を促す周囲の言葉や態度が、本人が多少なりとも心に秘める「このままじゃまずい」「変わろう」という気持ちをしぼませ、かえって本人を追い込んでしまうこともあります。では、どうしたらいいのでしょうか。例えば、ハマってしまった子どもを責めるかわりに、なぜゲームで癒されるのか、つまり自己治療としてのゲームの意味を子どもに聞くことが、結果的にゲームから離れるきっかけとなることもあります。

心理学とはこころの奥深さを学ぶ学問というイメージがあります。もちろん間違いではありません。しかし、こころの奥深さに関わるだけが、こころの悩みへの援助ではありません。私たちには、良かれと思い「常識的」にひとやこころを変えようとするこころの習慣があります。そして、この常識がうまくいかない時、無理に変えないことや、変わらないことをサポートすることが、こころの援助となることもあります。こころの援助とは、私たちの常識や価値観までも問い直す、多様性に開かれた領域なのです。公認心理師という新たな国家資格もできました。続きは志學館大学の教室で、一緒に考えてみませんか。


人間関係学部 心理臨床学科 の教員一覧

Pick Up:人間関係学部 人間文化学科 教員



【日本語日本文学コース】勝田 順子 准教授 (社会言語学・日本語教育学)

勝田 順子 准教授 (社会言語学・日本語教育学)

現在日本にどのくらいの外国人が住んでいると思いますか。総務省によると、2018年末の在留外国人数は約273万人で、これは日本の総人口の約2%に当たります。また一口に外国人といってもいろいろな身分の人たちが暮らしています。留学生、日本人の配偶者や会社員、そして「技能実習制度」(日本の会社で技術を習得するという名目で働く制度)で働く人や、「EPA(経済連携協定)」により、病院・介護施設で働くインドネシア、フィリピン、ベトナム人の看護師・介護福祉士候補者など。さらに2019年4月には改正出入国管理・難民認定法が施行され、今後外国人労働者が大幅に増加することが見込まれています。

少子高齢化社会にある日本で、労働力不足が大きな問題となっていることは、皆さんも知っているでしょう。その労働力を補填する目的で、上に述べた法律が昨年できました。この場合、日本に働きに来る人の日本語能力は、十分なものではない(初級日本語終了程度)と考えられます。しかし、来日後日本語を継続的に学ぶための公的支援はないため、日本語学習は個人の努力に頼るところが大きいといえます。

日本に労働者として受け入れることを法的に許可した以上、彼らの人権は守られなければなりません。外国人労働者は、単に労働を提供するためのモノではありません。日本語で意志の疎通が十分にできなければ、意図せずして不利な状況に置かれてしまうこともあります。

そのため、日本語の学習を支援する仕組みが整備されるべきでしょう。外国人労働者に対して、ドイツでは600時間以上の語学教育、韓国では政府による韓国語教育が実施されています。一方日本では、有志の住民による「ボランティア日本語教室」が各地にあるのみです。人々の善意に全面的に依拠した形での日本語の学習支援に頼るのではなく、国の責任でもって、「有資格者が日本語を教え、外国人労働者が継続的に学べる」仕組みを作ることが必要です。

さらに、日本人の外国人に対する意識の有りようも重要な要素でしょう。意識を変えることは外国人との接触がない人にとっては簡単ではないかもしれませんが、授業で異文化間のコミュニケーションについての知見を蓄えたり、留学生と交流するサークルに入って活動したりすることなどから、始めてみませんか。

そういった人たちが多くなれば、外国人にとっても、また日本人にとっても住みやすい、寛容度が高い社会になっていくだろうと思います。各人のそういった認識は最終的には世論を形成し、国を良い方向へと導くでしょう。このように、異文化を知ることは最終的には自分のためになるのです。

【英語英米文化コース】マーカス シオボールド 准教授 (English as a foreign language)

マーカス シオボールド 准教授 (English as a foreign language)

I am a qualified teacher from Manchester, England and have taught in America, England and Japan for over 30 years. Every class contains students with different levels of English ability, problems and interests. As a native English teacher in Japan I feel it is my job to try and inspire students to be inquisitiveabout the English language and culture. My teaching style is to use a variety of approaches so that students can be challenged and stimulated in the classroom.

University educators also have a duty to undertake research. Over the past 10 years I have focused my research on how Japanese people learn English as a second language. Papers I write and conferences I attend inform all my classroom content.

Recently I have focused my research on how this second language learning can have positive effects for the onset of dementia. With this in mind, it is important to embrace the concept of lifelong learning and to re-energize an interest in studying English.

私は米国、英国、そして日本で30年以上にわたり英語を教えています。英語教員として、気をつけているのは、英語学習、そして英語圏の文化へ興味を学生に持ってもらうことです。一方で研究者として、過去10年は日本人の英語学習者がどのようにして外国語としての英語をうまく学べるかを研究していました。最近は、外国語学習が老化、認知症の防止に役立つのではないかと考え、研究を行っています。(要約:蒲地賢一郎教授)

【歴史地理コース】宗 建郎 准教授 (都市地理学・地域研究・GIS)

宗 建郎 准教授 (都市地理学・地域研究・GIS)

世界規模での産業の再編成が進み、日本国内においては脱工業化や第三次産業化、そして人口の都市部、特に東京など中央経済圏への集中が進む中、地方の都市部や農山村地域における人口減少はもはや新しい現象ではなく、限界集落という言葉以上に、集落消滅という言葉さえも身近に迫っています。国立社会保障・人口問題研究所が平成30年に発表した報告書によると、鹿児島県は2015年の人口に対して2045年には73%程度まで人口が減少します。地域別に見れば50%以下まで人口が減少する市町村もあります。こうした状況をみると鹿児島県において地域活性化による人口減少の抑制は重要な課題と言えます。

近年、地域活性化のツールとして観光が着目されています。多くの都市が「観光都市」と名乗り、いかに観光客を惹きつけるかを競い合っています。地域活性化の手段について学生の皆さんに問いかけると、よく返ってくる答えが「ゆるキャラ」と「グルメ」と「SNS」です。確かにこれらの手段を使っていろんな地域が自分たちの地域をPRし、より多くの観光客を呼び寄せようとしています。

そこには観光のあり方の大きな変化があります。かつてはマスツーリズムによる観光の大衆化とともに、リゾート開発など施設の建設を伴う観光開発が行われ、観光者も団体旅行やパックツアーなど集団で移動をし、観光資源を消費する効率的な観光が主流でした。しかし、近年は環境や社会、文化などに負荷がかかる観光開発を避け、地域にある資源を掘り起こして観光商品としていく観光開発が進んできています。これまでは旅行業者が旅行商品を開発してきていましたが、さまざまな地域が自分たちの地域にある資源を活用した「体験型」や「交流型」旅行商品を開発、運営しています。また、旅行者も個人旅行が増え、観光目的も多様化し、そしてその目的にあう観光商品を、インターネットなどを通じて見つけるようになってきています。

そのためそれぞれの地域は自分たちの地域の魅力を多くの人々に知ってもらうための手段として「ゆるキャラ」や「グルメ」、「SNS」を活用するようになってきているのです。これらの手段は他の地域と自分たちの地域とを差異化し、その地域でなければならないという魅力を伝える物でなければなりません。また、これらの手段はそれだけでは観光商品としては不十分です。そもそも「ゆるキャラ」や「グルメ」、「SNS」に乗せて発信される地域の魅力が必要です。

これはもともと地域に魅力がなければならないということではありませんし、新しく魅力ある物を作り出すということでもありません。地域資源を見つめ直し、その魅力を発掘することが必要なのです。つまり、観光による地域活性化を考えるためには、まず何よりも地域を知ることが必要です。そしてその魅力を地域の活性化につなげていくためには外部にむけて発信すればいいというものでもありません。その地域の社会や文化に、なによりもそこで暮らす人々の生活にどのように結びつけていくかを考え、地域が抱える課題にいかに答えるかを考えていくことで地域の活性化へとつなげていかなければならないのです。


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