「人生100年時代をよりよく生きる おとなの教養講座2025」が開催されました
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9月28日(日)「人生100年時代をよりよく生きるおとなの教養講座2025」が開催されました。本講座は人生100年時代を迎える中、鹿児島の皆様がよりよく生きるために価値ある学びを提供するオムニバス形式の講座であります。
冒頭あいさつでは、本学の飯干紀代子学長から、今回の講座は「鹿児島の宝箱〜観光とウェルビーイング」というテーマでの開催であり、「観光を通じて鹿児島の力を再確認し、より盤石に、より豊かにするための方策を皆様と共に考える機会にしたい」と話されました。※ウェルビーイング〜心身の健康だけでなく、人とのつながりや生きがいも含めた、人生の豊かさを表す言葉
講座1ではSHIROYAMA HOTEL kagoshima 常勤顧問の西啓一郎氏より「観光と地域総合力」とのタイトルでお話をしていただきました。講演では日本の人口減少問題について触れ、定住人口の減少を交流人口の増加でカバーすることの有効性や、インバウンド(訪日外国人旅行者)の拡大と同時に、グローバルな視点を持つ人材の育成のためにも、近年伸び悩んでいる若者のアウトバウンド(日本人の海外旅行者)を活性化させることの必要性を示唆されました。また、観光と地域の関係についても考察され、市民参加型の観光の事例(北海道のオープンガーデンやアルステルダムの運河をボートで巡るごみ回収ツアーなど)を紹介された後、「観光は大きな転換期にあり、これまでの単なる消費から体験や文化についての関心へと変化している」と指摘されました。最後に、グローバル化する中でのローカルな価値を再評価することの重要性と、鹿児島の足元にある資源を見つめ直し、それを活かしていく取り組みが大切であることを強調して講演を締めくくられました。
講座2ではSHIROYAMA HOTEL kagoshima イタリアン/リストランテホルト 副店長の木下綾氏より「日本が世界に誇るおもてなしについて」とのタイトルでお話をしていただきました。講演では「サービスとは何か」「ホスピタリティとは何か」「おもてなしとは何か」と問いかけた後、それぞれの概念が異なることについて丁寧に説明されました。そして、“お客様への心遣い”において最も高いレベルと位置付ける「おもてなし」とは、まだ見ぬ相手に対して到着する前から最高のひと時を提供するための準備と行動を指し、「AIの時代においても、おもてなしの心で自発的に行動できるのは我々人間だけ」と強調されました。最後に、ホテルが提供できるウェルビーイングについては、「美しき非日常、おもてなしという無形のものを提供することで、旅の思い出や笑顔、リラックス、リフレッシュできる場所を提供すること」として講演を締めくくられました。
講座3では志學館大学 人間関係学部 講師 学生支援センター長 精神保健福祉士 森実紀氏より「こころの健康をデザインする観光の力」とのタイトルでお話をしていただきました。講演は各チャプターのスライドを見ながらテンポ良く進められ「観光と心の健康の関係性」においては、自然や旅先での体験が幸福感を高め、ストレスを和らげる効果があることが科学的研究によって示されていることが説明されました。また、「五感で楽しむ観光」では、香りが心に直接働きかける力を持っていることや、アロマが持つ効果についても、ラベンダー精油を用いたトリートメントが自律神経のバランスを整え、気分の改善や疲労の緩和に効果があることが紹介されました。途中、参加者にはボンタンアメの試食体験が提供され、マインドフルネス・イーティング(五感を使って食べ物を味わうこと)の実践も行われました。最後に、心を整えるために誰でも出来ることとして、「五感を意識して自然に触れること、郷土の食や香りを味わうこと、小さくても旅をすること、日常の中に観光的な時間を取り入れること」と強調して講演を締めくくられました。
本学では、来年度以降もおとなの教養講座を実施予定です。引き続き、皆様のご参加を心よりお待ちしています。
