W資格取得 公認心理師/臨床心理士の両資格に対応

本研究科は、国家資格公認心理師養成大学・大学院の認定と日本臨床心理士資格認定協会第1種指定大学院の認定を受けています。高度な心理専門職である公認心理師・臨床心理士を育成する養成機関であり、所定のカリキュラムを修了することで両方の受験資格を得ることができます。

心理専門職の主要5領域「医療・教育・産業・福祉・司法」、それぞれの分野のエキスパートによる講義・演習が揃っており、心理査定、カウンセリングや各種心理療法など、修了後すぐに現場で働ける臨床力を養います。学部の心理臨床実践コースとの連携を重視しており、学部生と大学院生が講義、演習、見学実習などで交流できるのも魅力の一つです。

充実した学内実習と学外実習

研究科附属の学内実習機関として「心理相談センター」「発達支援センター」を備えており、年間計約1,200回の相談支援を行っています。大学院生は両センターで、300時間超の実践的な実習を積むことができ、公認心理師・臨床心理士としての臨床力を育む貴重な体験を得ています。

なお、九州の私立大学で学内に両センターを持つ大学院は本学だけです。本学の学生は、5つの病院、2つのクリニック、5つの児童関連施設、3つの教育関連施設からなる15の外部実習機関から実習先を選択し、複数の施設で実習を受けることができます。

学内環境

心理相談センター

家庭や職場、学校などでの対人関係の悩みや心の問題、不登校などを抱えるクライアントに対応します。

各種心理的アセスメントに基づき、カウンセリング、プレイセラピー、箱庭療法、臨床動作法などクライアントに適した心理療法を行います。また、保護者や学校教職員への支援、関係諸機関との調整等も行います。

発達支援センター

子どもから高齢者まで生活にさまざまな困難を抱えた方やその家族などを対象に、心理臨床的観点からライフサイクルに応じた支援を行います。

1対1の個別支援に加え、集団療育を通して、幼児や児童のソーシャルスキル向上や、思春期の子どもの育ち直しの場の提供、子どもを育てる保護者のコミュニティ作りを行います。学校教職員等へのコンサルテーションも行っています。

その他の施設

箱庭

プレイルーム

院生室

手厚い卒後サポートで公認心理師・
臨床心理士資格取得に向けバックアップ!

在学中はもちろん、大学院修了後も研修会やセミナーなど様々な研修の機会があり、修了後のサポートも提供しています。定期的に学外から講師を招いて研修会を行っており、様々な領域の最前線で実践や研究をされている先生方からの貴重なご指導を受ける機会が用意されています。

令和元年度修了生の合格率は、第3回公認心理師国家試験62.5%(全国平均53.4%)、臨床心理士資格試験では71.4%(全国平均64.2%)でした。臨床心理士は計117名誕生しています。累計合格率は80.6%です。修了生の合格に向けて、定期的に勉強会を開催し、盤石のサポート体制でバックアップしています。

研修会講師と研修テーマ

公認心理師と臨床心理士の違い

※下図は画面に収まらない場合、
左右にスライドしてご覧いただけます。

公認心理師 臨床心理士
資格認定 国家資格 「公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会」認定資格
業務内容 心理査定(アセスメント)、心理面接(カウンセリング)、心理学的地域援助、調査・研究活動 など
医師との関係性 場合により医師の「指示」 医師との「連携」や「協力」
更新制度 なし あり(ポイント制)
主な受験資格
  • ①条件を満たす大学卒業及び実務経験2年以上
  • ②条件を満たす大学院修了
指定大学院修了

修士論文のタイトル

本人の興味・関心に応じた幅広い領域の研究が行われています。ここでは、その中から、論文投稿・紀要掲載・学会発表されたものを中心に一覧にしてあります。

修士論文のタイトル

  • No.1

    不眠傾向のある大学生への臨床動作法の試み

  • No.2

    学校現場における教師とスクールカウンセラーによるアセスメントの比較 ー協働のためのアセスメントに向けてー

  • No.3

    年代の違いによる高齢者のレジリアンス(自己回復力)と健康度についての研究

  • No.4

    ソリューション・フォーカスト・アプローチを用いるセラピストはコンプリメントをどのように捉えているのか

  • No.5

    出産前後の母親へのストレス負荷と児童発達との関連性についての調査研究 ー妊娠後期及び出産後1年半に注目してー

  • No.6

    幼少期の母子関係イメージ・父子関係イメージが青年期の愛着スタイル・対人関係に及ぼす影響

  • No.7

    「対人恐怖心性ʷ自己愛傾向2次元モデル」と愛着スタイルの関連 ーバウムテストを指標としてー

  • No.8

    家族介護における孫の役割 ー孫・祖父母関係と高齢者のケアの意味づけとの関連ー

  • No.9

    コラージュ制作における認知 ー物語アプローチーSCAT分析によるスキーマの検討ー

  • No.10

    ひとり親家庭及びふたり親家庭の家族システムの変遷 ー親と子のFIT作成および語りを通してー

  • No.11

    心理職が多職種と連携し役立つ専門職となっていくプロセス

  • No.12

    適応障害の発症・遷延化要因として非定型発達の関与が考えられる8症例の心理・行動的研究

  • No.13

    電子いじめ加害行動における心理的要因についての一考察 ー自己愛傾向、仮想的有能感との関連に着目してー

  • No.14

    児童福祉施設職員のPCAグループ体験に関する一考察 ーストレスとバーンアウトに対する効果の視点からー

  • No.15

    母親における子どもの発達障害のとらえ方と意味づけ

  • No.16

    男子性非行少年に関する文献研究 ー臨床心理学的介入の可能性についてー

  • No.17

    大学生における家族関係の認知と抑うつ傾向との関連について

  • No.18

    小中学生の教師に対する信頼感とその規定要因 ー小中学生の比較を通じてー

  • No.19

    成人期における適応障害に「非定型発達」が関与した症例の心理・社会的要因の分析と支援についての研究

  • No.20

    HSP(Highly Sensitive Person)と大学生活適応及び家族機能について

  • No.21

    認知症高齢者に対するメモリーブックを用いた介入 ー認知・心理・行動の変化とメモリーブックの内容分析に焦点を当ててー

  • No.22

    人生満足度とレジリエンス ー人生の俯瞰とネガティブな出来事からの回復に焦点をあててー

  • No.23

    生徒視点の不登校支援を探る ーサポート校通学経験者の不調回復プロセスを通してー

  • No.24

    青年の両親間葛藤対処認知が青年自身のコミュニケーションパターンと家族イメージに与える影響 ー結婚・子育てイメージに焦点を当ててー