活動報告(1) 【JTB連携】中大連携キャリア教育プログラム B&S(Brother&Sister)

志學館大学は、平成29年度に株式会社JTB鹿児島支店と連携協定を締結して以来、様々な事業を協力して実施しています。

令和元年度は、まず、前年度に引き続き佐賀県小城市立三日月中学校を迎え、産学・中大連携のキャリア教育プログラムB&S(Brother&Sister)を改善して4月に実施しました。同プログラムは、全学共通科目「キャリア開発演習」で修学旅行生に鹿児島市内を案内するコース案の策定を行い、JTB社員による監修と実地踏査を実施したうえで改良する、コーオプ教育の一環で開発されたものです。

実際に教育旅行で来鹿した中学生が本学キャンパスを訪れ、キャリアデザインに関するミニ講義と学生によるキャンパスライフ紹介の後、授業や施設、サークル見学を行いました。その後、市内中央部観光として中学生6名のグループに学生1名がアテンドし、鹿児島維新ふるさと館、天文館、城山展望台、桜島、かごしま水族館など、中学生の希望に合わせて回りました。

また、6月には大阪府大阪市立大正東中学校、10月には佐賀県武雄市立武雄中学校と新たに連携し、自由行動に学生が同行しました。互いが方言なども披露して交流しながら鹿児島の魅力に触れることができ、別れ際は名残惜しく手を振り合い、生涯の思い出になったようです。

中学校の教育旅行の中に、離れた地域、異なる文化、異年齢の他者や大学生・研究者との接触が同時に組み込まれていることから、キャリア教育の観点からみても全国でも珍しい取組といえます。

なお、平成30年12月には、全国のJTB社員の方々が研修で来学し、教育旅行や観光についての研修、学生との意見交換会も実現しました。

活動報告(2) 【自治体・企業等連携】地域志向型・AL中心型科目「地域産業論演習」 B&S(Brother&Sister)

平成30年度に新設された、1年次から履修できる法学部専門教育・集中科目「地域産業論演習」は、地域志向型・アクティブラーニング中心型で注目科目の1つです。
地元の自治体や企業等の方々と接しながら実践的に学び、議論やプレゼンテーションのスキルを磨き、地域や産業のあり方について考察することができます。また、鹿児島市との連携により、市長または副市長との意見交換会に参加することができます。

令和4年度の市長との意見交換会についてはこちら

鹿児島市長との意見交換会『市長と語る会』を実施しました | 志學館大学 (shigakukan.ac.jp)

令和2年度は鹿児島市まちづくり人材育成連携事業と結び付き、まちづくり総論や商工業振興施策、防災対策について、講話、グループワーク、プレゼンテーション、現地研修、松永範芳副市長意見交換会を実施することができました。起業家支援施設Mark Meizanや災害対策本部室では、現場で施設や組織の機能をじかに学び、意見交換会では学生が進行や運営も担当するなど主体的に活動することができました。

また、鹿児島銀行本店と、全国初の金融機関直営商業施設として開業した「よかど鹿児島」に訪問し、同銀行の機能と地域開発について学びました。本館1階の大きなスクリーンには、かぎん空間演出事業「第1回映像コンテスト」で最優秀賞を獲得した本学学生の作品がちょうど流れていました。さらに、県産業会館など周辺の県内経済中枢部一帯を見学しながら考察を深めました。

新型コロナ感染症予防等のため人数を12名までに絞り、市外バスツアーが変更になるなどしましたが、少人数のためワークはやりやすく、初対面の履修学生たちはすぐにチームとなり、協働で意欲的に取り組んでいました。

活動報告(3) 【鹿児島県・NTTドコモ連携】「かごしま未来創造ビジョン」周知プロジェクト

志學館大学では、令和4年9月より、鹿児島県「かごしま未来創造ビジョン(改訂版)」の周知方法について、大学生の視点から検討するプロジェクト活動を実施することになりました。

鹿児島県庁総合政策部総合政策課と株式会社NTTドコモ九州支社のご協力により、産官学連携PBL(*1)として法学部キャリア教育ゼミ(担当:志賀玲子教授)の3年生が取り組みます。

「『かごしま未来創造ビジョン』は、おおむね10年という中長期的な観点から,鹿児島の目指すべき姿や施策展開の基本方向等を示すものであり、県政全般にわたって最も基本となるものです」(鹿児島県ホームページより)。
若い世代がこれらの方針や情報に関心を持ち、身近な地域の未来について時代を見据え自分で考える機会を増やし、様々な人や組織と協働して社会理解を進めることは、今最も強い社会的ニーズの1つであり、それぞれのキャリア形成にも大きく役立ちます。

また、今回、株式会社NTTドコモ九州支社から、企業のプロモーション手法・戦略を学生が学べる機会を提供いただけることになりました。同社は鹿児島県と「地域活性化に向けた連携と協働に関する協定」を締結し、地域社会活性化および県民サービスの向上を図っておられます。
学生が産業界の高度なスキルや最新情報、地域貢献、職業人体験談等に接することのできる活動は、「大職接続教育(*2)」を掲げる本学にとっても貴重な機会となります。

同プロジェクトリーダーで法学部法ビジネス学科3年の阿久根和葵さんは、「今回のプロジェクトでは多くのことを学ぶことができ、良い経験になると思います。鹿児島の直面している問題を把握し、解決策を考え、暮らしやすい県にしていくことにも繋がります。学生自身が積極的に意見を述べる、有意義な活動にしていきたいです」と意気込みを語りました。

  • *1 Project-Based Learning; プロジェクト型・課題解決型学習
  • *2 学生の卒業・就職後のミスマッチ回避と定着、満足度向上に向けて、大学と職業・社会とを円滑に繋ぐための教育。第4次長期経営計画『志學館未来計画2022-2027』における本学の独自表現。
  • 取組概要
    • 大学生による鹿児島県「かごしま未来創造ビジョン(改訂版)」のPR手法等の検討と実践
    • 中学生等への同ビジョンの説明とワークショップ
    • 活動報告・発信 ほか
  • キャリア教育ゼミの活動テーマ
    • 産官学・多主体・多機能の連携・協働によるキャリア・地域開発
    • コミュニケーションとチームワーク
  • 活動計画(予定)
    • (1)令和4年9月5日(月)10:00~12:00 
      鹿児島県庁7F会議室、18F「かごゆいテラス」 ほか
      キックオフゼミ、かごしま未来創造ビジョンとは、取組趣旨・概要、庁内見学
    • (2)令和4年9月20日(火)10:00~12:00 
      NTTドコモ九州支社 鹿児島支店
      企業のプロモーション手法・戦略について
    • (3)令和4年10月11日(火)11:20~12:50 
      志學館大学 本館2F 1206教室
      進捗状況報告、中間チェック・助言、ロールモデル交流
    • 【県ビジョンPJ】鹿児島県庁とNTTドコモ九州支社でゼミ活動を実施しました | 志學館大学 (shigakukan.ac.jp)
    • (4)令和4年11月4日(金)14:35~ 
      志學館中等部・高等部 体育館・武道館
      志學館中等部対象 プレゼンテーション&ワークショップ
    • (5)令和4年11月12日(土)・13日(日)<銀杏祭> 志學館大学 本館
      ポスター報告
    • (6)令和4年11月22日(火)11:20~12:50 
      志學館大学 会議棟2F第1会議室
      反省・交流会
    • (7)令和5年3月7日(火) 
      志學館大学 40周年記念館
      紫原中学校3年生対象 本学との交流事業内「キャンパスライフ紹介」にて本プロジェクト概要報告
      同校との今後に向けた協議等
    • (8)令和5年7月14日(金)13:00~14:30 
      志學館大学 40周年記念館
      全学共通科目「キャリア概論(かごしま学)」にて鹿児島県総合政策部次長・桑代毅彦氏が講話「鹿児島県の特徴と課題」を実施
      事前課題に「かごしま未来創造ビジョン」を取り入れ、当日冒頭にプロジェクトメンバーが報告・説明を実施
    他 随時更新
  • 参考
活動報告(4) 【鹿児島県中小企業家同友会連携】意見交換会

本学は、鹿児島県中小企業家同友会と平成25年度に産学地域連携基本協定を締結し、書籍のご寄贈や授業でのゲスト講話、法ビジネス学科のインターンシップ受け入れ、就職活動支援模擬面接会など、数々の事業でご協力を頂いています。その一環で、平成28年度からは毎年、意見交換会を開催しています。

令和4年6月9日(木)には、近年問題となっている就職後短期間での離職を踏まえ、「大職接続教育」をテーマに意見交換会を行いました。短期間での離職は、せっかくの就職先が自己実現の場と考えられない卒業生にとっても、新卒者を採用し研修・訓練等を行ってきた企業にとっても不本意なものです。本学では、大学での学びが就職後の定着や職業への積極的な関わりに繋がる教育を大職接続教育と呼んでいます。どのような教育が必要なのか、企業から見たニーズはどのようなものなのかなどについて、班に分かれて熱心な議論がなされました。

本学は、今後もこのような機会を通じて実社会の生の声を聴き、大学の教育・研究に活かせるよう取り組んで参ります。