2019年11月29日 生涯学習部門
◆志學館大学・かごしま県民大学連携講座
「我、ここにあり。~鹿児島ゆかりの女流歌人・作家~」(全5講座)
昭和初期に活躍した日本を代表する女流俳句の先駆者である杉田久女。本学の日高先生に「遠い薩摩の記憶」「第2章 万葉歌人の純情」「第3章 女流俳句よ、光輝あれ」の3章だてでお話を伺いました。俳句に深い関心を持つ受講者も多く、「久女が好んだ万葉歌の解説が面白かった」等の感想が寄せられました。
前回に続き本学の日高愛子先生に「第1章 故郷もどき」では向田作品にちりばめられた鹿児島への思いを丁寧に紐解いて頂きました。「第2章『源氏物語』の男と女」では、昭和55年に放映されたTVドラマを取り上げての解説です。日高先生のご専門である古典の観点から源氏物語の脚本を解説して頂きました。受講者からは「シナリオ本の面白さを教えてもらった」という感想が寄せられました。
かつて木下恵介アワーのテレビドラマとして全国放映され、一世を風靡した中村きい子氏の「女と刀」の貴重なDVD映像を視聴しながら解説をして頂きました。「九州文学」に「掲載された「蝶」が芥川賞候補作品となった勝野ふじ子氏は29歳の若さで夭折。改めてこの女流作家お二人に脚光をあてて解説して頂きました。
「明治の紫式部」とも言われた歌人税所敦子について、幼年時代の京都での千種有功や八田智紀との運命的な出会いから結婚後の鹿児島での高崎正風との交流、京都における近衛家の老女としての忠勤など、昭憲皇太后の和歌の相手として宮内省に出仕し「楓内侍」として活躍するまでの敦子の生涯をさまざまな史料から読み解きました。
身近でありながら意外と知らない鹿児島ゆかりの文化人について見分を広めるべく、かごしま近代文学館へ足を運びました。学芸員の方が館内を案内してくださり、今回の連携講座に併せて林芙美子、向田邦子、税所敦子、杉田久女など女性の文化人を中心に詳しく解説して頂きました。本学の岩下先生による椋鳩十、海音寺潮五郎、島尾敏雄などの参加談義もあり、参加者から多くの質問があがりました。
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